参考書とアプリだけでTOEIC400点から915点まで上げた英語勉強法
初めまして「あるみまっく」と言います。
私は、元々英語が苦手な人間でした。始めてTOEICを受験した時は会社の入社式で400点くらいでした。学生時代にもっと勉強しておけばよかったなと後悔したのを覚えています。
今ではTOEICで900点越を常に獲得できるので、周りからは「元々英語が得意なのだろう。」「海外に駐在したからだ。」と思われているようです。
しかし、事実として私が900点越を達成したのは英語が得意だからでもなく、海外駐在を行ったからではありません。
実際に海外駐在に行く前に900点の壁は突破していました。900点突破には大体2年位掛かりました。
自慢に聞こえてしまうかもしれませんが、私は普通の環境下で市販の英語教材を用いて、独力で英語を向上させました。今では入社から10年以上経過して課長の職についています。
そして、入社時に英語の力を向上させておいて本当に良かったと思います。現在は日常的に英語での会議や交渉、メールや電話を毎日行っています。英語力がなければ非常に苦労していただろうなと思います。
今回は、私が様々な教材を通して勉強してきた中で、この教材は良かった、このアプリは使えるといった事を紹介していきたいと思います。こういった情報を有効に活用することで少しでも皆さんの負担が軽くなればと思います。
目次
1. ちょっと待った!英語の勉強はあなたに必要?
先ずはこの様な記事を書きながら不躾な質問かもしれませんが、本当にあなたの人生や生活に英語を習得する必要があるかと言った点を考慮して頂きたいです。
後程述べますが、英語の勉強は非常に地道なものです。広告等で見かける「短時間で英語が話せる」といったことを期待してはいけません。
これは誰もが目をそむけたくなる事実ですが、語学習得に近道はありません。毎日コツコツと積み上げていくしかありません。
しかも、比較的短期間で英語力を上げたい英語初心者は一日で3時間程度は時間を確保したいところです。休日は5時間程確保したい所です。365日の3~5時間、2年間で計算すると2500時間位必要です。更に習得した英語力を維持するには、その後の勉強も必要です。
結論を言うと英語の習得には非常に時間が掛かり、その力の維持を考えると更に莫大な時間の投資が必要になります。
その為、仕事や生活で必要ない人にとってはリターンが少ない投資と言えます。
他の事に時間を割いた方がより良い人生が送れると思います。「日本人の9割に英語はいらない」にある様に殆どの人にとっては英語がなくとも楽しく暮らせるのが事実です。
2. TOEICの得点だけを目標にしてはいけない。
本当に仕事や生活で必要な人はきちんと勉強しましょう。
しかし、こういった人達はTOEICの点数を目標に勉強をしてはいけません。
必要な人にとっての英語はTOEICの問題が解けることが目標でなく、仕事や生活なりに生かせること(具体的には会話が出来ること、英語での情報収集が出来ること)が目的のはずです。
TOEICは英語力の尺度に過ぎません。十分な英語力があればTOEICが900点だろうと満点の990点だろうと差はありません。
その為、自分の満足する英語力をつけたらTOEICはもう受験する必要はないと思います。私も915点の獲得を最後に意味が見出せなくなったのでTOEICの受験をしていません。
3. 600点くらいまではテクニックで点数は取れる
そうは言っても会社の昇進試験や入社試験でTOEICである程度のスコアを取らなくてはならない人もいます。
これは昨今のグローバル化の潮流を考えると仕方がないと言えます。こういった人にとっては時間を掛けずにTOEICの勉強をするのが良いと思います。取りあえず点数さえ獲得すれば良い訳なので効率の良い勉強法をしましょう。
実はTOEICは600点くらいまではテクニックで取得可能なスコアです。その為に、そのテクニックの習得に特化した本で勉強するのが最適です。
私も使用しましたが、「新TOEICテスト 直前の技術—スコアが上がりやすい順に学ぶ」が最適です。解法のコツ等がうまくまとまっています。
これを何度も繰り返せば最短で600点の到達が出来ると思います。但し、スタート時の英語力が400点以下の場合はもう少し努力が必要かもしれません。そういう場合には以下の項で紹介する書籍を参考にして下さい。
4. 400点以下から始める勉強法
400点以下の場合には基本的な英語力が欠如していると言わざるを得ません。学生時代に習った内容を完全に忘れている人が多いと思います。このレベルから最終的な生かせる英語力を身に付ける為にはバランスよく勉強していくことが大切です。
単語力をつける
先ずは単語力の獲得が必要です。私のお薦めはiPhoneアプリの「キクタンBasic」です。「キクタンTOEIC600」も良いですが、先々の事を考えると前者の方がお薦めです。
これを隙間時間にひたすら繰り返します。苦手な単語は記憶して何度も暗記できるのでこれ一本で先ずは大丈夫です。次に文法力に関しては少しレベルが高いですが、「新TOEICテスト 文法問題 でる1000問」がお薦めです。
かなり広い分野をカバーしており、当面これの繰り返しで十分です。
読解力をつける
読解力には簡易な英語の文章を読むことをお薦めします。
お薦めの本は「American Pie―Slice of Life Essays on America and Japan」「Kitchen Table Talk」「Takes and Mistakes―Twelve Short Tales of Life,Language and Culture in Japan and America」「Oops and Goofs―Lessons Learned through Daily Life in Japan」等がお薦めです。
初めての英読書でも1つの話が短いので読破できます。
聴く・話す力をつける
最後に聴く・話す力は王道ですが「NHKラジオ英会話」がお薦めです。
持ち歩いて聞くためにもCDの購入も併せたい所です。そしてひたすら聞くことが大切です。
お薦めは市販のポータブルタイプの音楽プレイヤーで初めは再生速度を0.5倍で聞くことです。慣れてきたら0.75倍、1倍、1.25倍、1.5倍と速度を上げていきましょう。
聞くだけでなくシャドーイングを行うと聞く力と話す力がどんどん上がります。ちなみに私が使用している音楽プレイヤーはSONYのウォークマンです。iPhoneでも音楽が聞けますがこの様な音楽の再生速度の調整機能がないのでお薦めです。
そしてテストが近づいたら「新TOEICテスト 直前の技術—スコアが上がりやすい順に学ぶ」で対策しましょう。この位のレベルはやった分に比例してぐんぐんTOEICスコアが伸びます。
5. 400-650点までの勉強法
基本的に実施する内容400点以下の時と変わりません。他の教材に手を出すより限られた教材で確実に内容を覚えていく方がスコアは伸びます。
話す力を伸ばすために「ネイティブなら子どものときに身につける 英会話なるほどフレーズ100」「ネイティブはたった100語で話している!」をやると最低限の会話はできる様になります。
6. 650-800点までの勉強法
おそらく最初に壁にぶつかるレベルです、中々スコアが伸びなくなります。
単語力はiPhoneアプリの「キクタンAdvanced」に変えて同じように取り組みましょう。
読解量はもう少し長文の内容を読みましょう。お薦めは「The Adventures of Tom Sawyer」「Charlie and the Chocolate Factory」「Magic Tree House Collection: Books 1-8」です。
内容は比較的簡単ですが英語の長文を読むのに抵抗を失くすことに非常に役に立ちます。
最後に聴く・話す力は少しレベルを上げて「NHK実践ビジネス英会話」がお薦めです。
後は「即戦力がつくビジネス英会話 改訂増補版: 基本から応用まで」「即戦力がつくビジネス英会話2」はその内容が口から自然と出てくるまで繰り返し聞き、シャードーイングしましょう。
ここでこの本を徹底的にやっておくと将来的に仕事上で生きた会話が出来ます。このレベルの会話を1.5倍の再生速度で聞き取れるようになると、TOEICのリスニングは余裕で聞き取れるようになります。
7. 800-900点までの勉強法
ここも中々点数が伸び悩むところです。
単語力はiPhoneアプリの「キクタンSuper」に変えて同じように取り組みましょう。
読解力は「As A Man Thinketh」「The 7 Habits of Highly Effective People」「Who Moved My Cheese?」等の本格的なビジネス書がお薦めです。経験から言うといきなり原書にあたるのはハードルがかなり高いので、日本語で一度読み、その後原書にあたるのが良いと思います。
こういった本は何度読み返しても意味がある本なので何度も繰り返し読みましょう。
TOEICに特化した「TOEIC TESTレベル別問題集800点突破 リーディング編」がお薦めです。
リスニング力についてはDVDがお薦めです。好きな映画を見ればよいと思いますが英語学習に最適なものや見ていて楽しいものが良いと思います。私は「Ally My Love」のシリーズを見ました。ビジネスとコメディが程よくはいている内容で内容としては良かったと思います。
ここは自分の好きな内容で良いでしょう。但し、繰り返し見ることが大切です。この辺りのレベルになると英会話力もかなりついてくるので実践を兼ねてオンライン英会話教室 (例えば、「DMM 英会話」)を受講しても良いかもしれません。本格的に英語のみでの会話が出来るので実践力が付きます。
8. 900点越の壁
ここまでくると後は今までの教材を徹底的にやることです。
加えて英語での情報収集(BCC, NY Times等の気になるニュースをのぞいてみる)を行ったり、読書も英語のモノを積極的に読むようにしましょう。
最後の仕上げとして「新TOEICテスト990点攻略」で仕上げをしましょう。ここまでコツコツ積み上げてきたならば必ず900点の壁は超えられるはずです。
9. 継続的な英語力の維持を目指して
始めにも書きましたがTOEICの点数がどれだけ高くなっても仕事や生活に生かせなければ意味はありません。
そしてこれまで積み上げてきたものもその後の努力を怠れば直ぐに英語力はなくなります。
TOEICで900点を超えても6-8校に記載した内容はずっと続けていきましょう。そして仕事や生活の中で積極的に使っていくことが英語力維持には大切です。
10. まとめ
先ずそもそも時間を投資する必要があるかを考えましょう。
必ずしもすべての人にとって英語は必要ではありません。英語を身に付けると良いこともありますが、使えるレベルのものを獲得、維持するとなるとかなりの時間の投資が必要です。ここを見極めましょう。
そして、取りあえず最低の点数だけ確保したいといった人はTOEICの解法に焦点を当てた本でテクニックを学びましょう。テクニックのみで600点くらいまではいけます。
もし、本格的に学ぼうと思ったらここに記載した様に時間をかけ、教材を選択して積み上げていきましょう。きっと目標が達成できると思います。
最後に…
私はTOEIC900点獲得後に米国駐在の機会を得ました。
その時には900点の実力があってもネイティブの生活圏で生活することは難しいと感じました。発音もでたらめ、スラングも混じる、スピードも速いとかなり苦労しました。
それでもその前にある一定以上の英語力を身に着けていたのでどんどん英語力が向上していきました。一般的には海外留学や駐在をすると英語力は伸びますが、その伸びしろは元々のバックグラウンドにある英語力に強く依存すると思います。
やはり英語力がそこそこ高いと伸びしろも大きいですが、英語力がないと自分の単語力の範囲でしか話せないので伸びしろも限られてしいます。
これは仕事や生活で使う場合も同じです。英語力はある一定レベルを超えると加速的に向上していきます。そのレベルはTOEICでは800点位からだと思います。皆さんもぜひ頑張って使える英語を身に付けてください。